アコーステイックギター製作工程 第三回
1. どんなギター?
どんなギターを作るか決めておかないと製作には入れません。
一言でギターと言っても色んなギターがあります。
ここでは一般にフォークギターと言われているものを対象にします。
一般的に、マーチンooo(トリプルオー)タイプ、ドレッドノートタイプ、ギブソンJタイプ.....
自分が演奏したいジャンル、あるいはイメージする音で決めます。
大雑把ですが、oooタイプは箱が少し小さめでスケールは635~640、ドレッドノートタイプは大きめでスケールは640~650、ギブソンJタイプはでかいと言うより厚いといった感じ。
2. 構想 その1
まず、ギターの顔の形を決めましょう。
縦の長さ:スケール=640mm、14フレットジョイントと仮定して考えてみましょう。
この場合、ナット~14フレットまでは約355mmになるので、ネックとの接合位置からサドルまでの距離は
640 - 355 = 285mm
となり、ブリッジの幅があるので最低で320mmは必要となります。ただし、これでは不格好に加えて音の振動する部分が足りません。+200として、縦は485mmとしましょう。
横の長さ:ボディの下腹部(?)の膨らみを考えましょう。
あまり大きすぎると演奏するのに厄介だし、小さすぎると音が貧弱になる可能性があります。ここでは400mm位と仮定しましょう。
縦、横の大きさが決まったら、大きな紙に実物大の絵を描きます。縦X横の四角形を書いて、この枠に顔の曲線を描きます。少々はみ出ても構いません。
自分の気に入った線が引けたら塩ビかアクリル板(薄いもので構いません。)を当てて上から油性ペンでなぞります。このとき、描いた顔の左右どちらかを選択してなぞり、塩ビ板を裏返しにして選んだ方の曲線をなぞります。つまり左右同じ曲線にするわけです。その時の中心線は必ず引いておきましょう。
PCでイラストレータとかCADが使える場合は便利でしょう。印刷が大変かと思いますが。 切り抜いてテンプレートにします。サウンドホールも描いておきます。直径100mm程度でいいでしょう。
3. 構想 その2
表板と裏板にはブレイシングと呼ばれる補強材を貼ります。(上記の画像は表板にブレイシングを作図しています。)
これは俗にいう「Xブレイシング」です。特にこれでなくてはいけないということではなく、弦の張力に板が耐えることができればいいのです。
裏板のブレイシングは横に平行に4本入れますが、ここでは省略します。
上部と下部にブロック材を入れます。上部をヒールブロック、下部をエンドブロックと呼びます。
ヒールブロックはネックと接合するため、エンドブロックより大き目です。エンドブロックにはエンドピン、ピックアップをつけた場合にはエンドピンジャックを付けることがあります。 
4. 構想 その3
ネックで決めておかないといけないことは、ナットの部分(0フレット)の巾です。一般に,43mm~45mm位と思います。自分の手の大きさで決めます。
次に、ヘッドの形状、角度(一般に14°位)、どんなペグにするか決めます。
ネックの太さは製作時に少し大き目に切り出しておいて、握り具合を確かめながら調整します。
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