アコーステイックギター製作工程「表・裏板のブックマッチ(接ぎ合わせ)」
 色々、準備をしてきてやっと本当の製作に入れます。まずは、表、裏板の接ぎ合わせからです。 1枚の板から切り出すのが理想ですが、縦500mm、横400mm以上の1枚板は小生には手に入りません。 ネット(有名な「愛知木材」さんや、ヤフオク)では、縦500~550mm、横210~230mmものを売っています。 その2枚を接ぎ合わせて1枚板にします。ブックマッチとは、昔、喫茶店とかで灰皿と一緒に置いてあった、厚紙を2つ折りにして その間にマッチがあるやつです。火をつけるとき開いてマッチをちぎり、頭を挟んで引っこ抜くものです。 つまり、厚さ4,5mmにスライスし、本の様に開いて1枚にすると左右の木目が対照になるわけです。 写真は表板に使う「シトカスプルース」です。
 但し、小生の場合は、ブックマッチする前に厚さを3mmまで落としておきます。ブックマッチしてから落としてもいいのですが 巾が400mm以上になるので落とすのに都合が悪い。実は写真の「ドラムサンダー」をついに買いました。今までは、紙ヤスリ(手動)や、 ベルトサンダー(ハンディタイプ)、電動カンナと色々やりましたが、厚さをそろえる、表面に傷を入れない等が一苦労でした。 同様に、裏板3mm、側板2.5mmにしておきます。
 KERV ドラムサンダー DR-400です。巾400mmまでいけます。表板2枚(厚さ6mm程度)を3mmまで落としましたが、 やはり楽です!以前とは天と地ほどの違いです。但し、集塵機は必須です。無いとドラムのカバー内がすぐに粉で一杯になります。
 この高さ調整の目盛(インチ?)は厚さの目安位に考えた方がいいでしょう。まだドラムの右端と左端で高さが違うようですが調整が難しそうです。 ただ、構造上どうしても違ってくるそうで、違いが0.5mm以上のときは調整してくださいとのこと。 今は、1回通して、左右逆にしてもう1回通すといいようです。
 さて、表板の接ぎ合わせです。ブックマッチ用治具の奥(写真右側)に1枚目をセット。当て木を入れて固定します。 その前に、接合面の下にクッキングペーパーを敷きます。これが無いと、お判りでしょう、悲惨な目にあいます。
 もう1枚を仮にセットして、写真左側の端でブックマッチ用治具と表板を揃えます。 準備ができたので接合面にタイトボンドを塗りセット。ロングクランプ3本で締めます。このときブックマッチ用治具の写真左側は可動ですので 表板の方に力が多くかかります。左側の2本のバーも当て木を入れて固定します。これで一晩置きます。
 暇なのでスプールクランプを整理します。36本あります。 あ!重要なことを忘れていました。接合面は合わせて光にかざして、光が漏れてこない様に加工しなければなりません。 直角、直線をだしながら何度も調整します。 今回の表板は「府中家具(広島県)」さんから買ったもので、きちっと製材されていたのでそんなに時間はかかりませんでした。 もう一つ、接着する面は濡れ雑巾等できれいに拭いてからタイトボンドを塗ります。
 表板の接ぎ合わせが完了。#120位の紙ヤスリで接合部分を均一に均します。ついでに厚さを2.6~2.7mm位に調整します。 テンプレートを当てて輪郭を写し取ります。接合部分と中心線を必ず合わせます。
 続けて、裏板のブックマッチに入ります。裏板は接合面が全然合っていないので紙ヤスリで直線、垂直面を出します。 写真の様に直角の出た当て木に紙ヤスリを貼って加工。左右を合わせて光にかざしてチェックを繰り返します。
 今回もバックセンター(巾5.5mm、厚3mm)を入れます。表板の時と同様にセットしてクランプ......えっ! クランプ巾が足りません。もうボンドも付けているし、最後の手段? 体で押し付けた状態で当て木をいれ固定します。
 1日置いて完了。
 裏板も同様にサンディングしておきます。ボディ輪郭の5mm程度外側をバンドソーで切り取ります。
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